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住宅完成保証制度とは?
注文住宅を建築中に、建築会社が倒産した場合に備えた制度として、住宅完成保証制度があります。安心して注文住宅を購入するため、住宅完成保証制度のある建築会社を選ぶことも検討してみましょう。
住宅完成保証制度とはどのような制度なのか
注文住宅の建築を契約して一定額の費用を支払ったにも関わらず、建築の途中で契約した建築会社が倒産してしまうと当然施主は大変困ってしまいます。家が完成しないだけではなく、すでに支払ったお金も戻ってきません。建築を引き継いでくれる建築会社が見つかったとしても、その建築会社へ追加で費用を支払うことになるため、当初の予定を超えた出費となってしまいます。
そのような事態を避けるため、施主を保護する観点から設けられた制度が「住宅完成保証制度」です。万が一、建築を依頼した建築会社が建築中に倒産したとしても、実質的に施主が追加費用を負担することなく、別の建築会社に仕事を引き継いでもらえる保証制度です。
注意したいのが、住宅完成保証制度は、全ての建築会社が対応している制度ではないということ。保証期間に申請し、一定の審査基準を満たした建築会社のみ住宅完成保証制度に加入できることとなります。注文住宅を依頼する場合には、その建築会社が住宅完成保証制度に対応しているかどうかを確認するようおすすめします。
建築会社が倒産するとどうなる?
そもそも注文住宅を建てている最中に、その建築会社が倒産すると、施主にはどのようなリスクが生じるのでしょうか?主なリスクを3点ほど見てみましょう。
支払ったお金が無駄になってしまう
建築会社が倒産するまでの間に支払ったお金について、その全額が施主に戻ることはないでしょう。
未完成の建売住宅を購入した場合には、建築会社が倒産した場合でも保険会社や金融機関が一定額を保証する形となりますが、注文住宅の場合には、このような保証がありません。そのため、施主が支払ったお金が全額返金されることは考えにくいと言えます。
工事を引き継ぐ会社が見つからないことがある
建築会社には、それぞれ独自の建築プランや技術力、資材購入ルートなどがあります。そのため、当初のイメージを全て実現してくれる別の建築会社を見つけることは、決して簡単ではありません。
こだわりやオリジナリティの強い注文住宅の場合、工法や設計などの見直しも許容しなければ、引き継いでくれる建築会社が見つからないかもしれません。
割増料金になるケースもある
仮に工事を引き継いでくれる建築会社が見つかったとしても、その建築会社にとっては慣れない工事になる可能性が高いため、時間や労力が余分にかかると予想されます。結果として、当初予定していた予算を上回ってしまう可能性もあるでしょう。
住宅完成保証の種類
住宅完成保証制度には、大きく分けて「保険タイプ」と「エスクロータイプ」の2種類があります。それぞれの特徴を見てみましょう。
保険タイプ
保険タイプの住宅完成保証とは、建築会社の倒産によって施主に生じた実質的な損害分を保証する制度です。
仮に3000万円の注文住宅を建てている際、1000万円までを支払い済みで、かつ1000万円分までの工事が完了した段階で建築会社が倒産したとします。この場合、別の建築会社が工事を引き継ぐことになったとしても、手間や労力が余分にかかることから、施主が予定していた残り2000万円のみで家を完成させることは難しいでしょう。もし完成に2500万円掛かることとなった場合には、施主が追加で負担することとなる500万円について、保険タイプの住宅完成保証から支払われることになります。
エスクロータイプ
エスクロータイプの住宅完成保証とは、施主から支払われる建築費用を保証会社が預かり、工事の進捗に応じて保証会社から建築会社等へお金が支払われる仕組みの制度です。
お金の管理は保証会社が行う形となるため、仮に建築会社が倒産したとしても、施主が前払いしたお金が失われることはありません。また、元受けが倒産しても協力会社が倒産していなければ、保証会社から協力会社へお金を支払う形として工事が継続できる可能性もあります。注文住宅の完成を保証する大変有効な制度です。
制度を利用したい場合はどうすればいい?
住宅完成保証制度に加入しているかどうかを建築会社に確認する
住宅完成保証制度は、施主が加入するものではなく、建築会社が加入するものです。そのため、建築会社が保証制度に加入していなければ、万が一のことが生じた際、施主は保証制度の保護を受けられません。
住宅完成保証制度の保護を受けたい施主は、予定している建築会社が保証制度に加入しているかどうか、契約前に確認する必要があります。
住宅完成保証制度を利用したい旨を建築会社に伝える
住宅完成保証制度は建築会社が加入するものである以上、保証制度の利用申請を行うのも建築会社となります。
住宅完成保証制度を利用したい施主は、その旨を建築会社へ伝えて利用の手続きをしてもらいましょう。
保証料の負担者を確認する
住宅完成保証制度を利用するには、保証料の支払いが必要となります。
一般的に保証料は建築会社が負担することとなるため、施主は支払う必要がありません。ただし、建築会社によっては工事費用の中に保証料を加算している場合もあることから、事前に見積書をよく確認しておくことが大切です。
倒産しそうな会社の特徴とは?
住宅完成保証制度を利用できる建築会社だったとしても、実際に会社が倒産すると、施主には様々な手間がかかります。時間も余分にかかることから、当初の工期で家が完成しないかもしれません。そのため、できることならば倒産リスクの低い建築会社に仕事を依頼したいものです。
ここからは倒産リスクのある建築会社の特徴を2つほど見ておきましょう。
多額の着手金を要求してくる
一般的に、注文住宅を建てる際にお金を支払うタイミングは、着手時・上棟時・完成時の3回。うち、最初に支払う着手金の金額は、概ね建設費用の10%程度(多くても30%程度)が相場です。
しかしながら、中には「着手時に工事費用を全額支払ってくれれば、大幅に割引します」などと言い、施主に少しでも多くの着手金を迫る業者もある模様。そのような建築会社は、資金繰りが悪化している可能性大です。家が完成するまでに倒産するかもしれません。
住宅完成保証制度に加入していない
住宅完成保証制度は、保証会社が設定する一定の基準を満たした建築会社のみが加入できる制度です。言い換えれば、倒産リスクの少ない健全経営の会社でなければ、加入できません。
逆に言えば、住宅完成保証制度に未加入の建築会社は、健全経営でないがゆえに未加入である可能性も否定できません。
住宅完成保証制度への加入も会社選びのひとつになる
建築会社の倒産リスクは、素人には判断が難しいでしょう。有名な大手ハウスメーカーが倒産することもあれば、地域密着型の小さな工務店が堅実経営であることもあります。
素人が倒産リスクを判断できない以上、施主ができることは、住宅完成保証制度に加入している建築会社と契約すること。建築会社選びの際の1つの参考にしておいてください。



